伝統文化こども教室2007
第1回「縄文時代の心、現代の心」
7月21日、「伝統文化こども教室」が始まりました。1年間全10回の企画です。このシリース全体のテーマを”「生きること」は何か”としました。第1回は「縄文時代の心、現代の心」、考古資料館からスタートしました。
市内で発掘された代表的な土器などが展示されています。説明を受けながら昔の人の生活を偲んでいます。
考古資料館から下っていくと、小山田のハス田があります。2000年前の遺跡から出土した種から発芽した「大賀ハス」が植えられています。ちょうど花が咲いていて、写真を撮っている人がいました。”どんなふうに写るのかな?”カメラのファインダーを覗かせてもらいました。レンズの先にはきれいなハスの花がありました。
道の途中でエノコログサ(猫じゃらし)を見つけました。穂をとって手でにぎにぎしていると、動いて手から出てきます。こんな素朴な遊びも今の子供たちには新鮮に感じられるようです。
鶴見川の源流に着きました。この源流では一日約1,300トンの湧水があり、真光寺川や恩田川と合わさって鶴見で東京湾に注いでいます。縄文時代の人も住みやすかったらしく、市内では多くの遺跡が発掘されています。
最後はNPOの畑のある場所で昼食です。キュウリを採って食べて良いと言ったら大人気、あっという間になくなってしまいました。ナスを収穫したり、食事のお手伝いをしたり、思い思いに時間を過ごしていきます。食事の後はお楽しみのスイカ割り。果たして命中したのでしょうか。
第2・3回「竹細工」
第2回と第3回は竹細工に挑戦しました。刃物を使い慣れていない子供たちに、第2回(8/24)は小刀や鋸をどう使わせるか苦心しました。特に小刀は鉛筆を削って使い方を練習しました。心を込めて刃を動かせばきれいに削れるし、字も上手に書けるかもしれません。鋸で竹を切って思い思いのカップを作りました。一人が竹を押さえて手伝う気持ちも学びました。
第3回(8/25)は川崎市の「民具制作技術保存会 竹細工グループ」の皆さんにすっかりお世話になって六つ目盛カゴに挑戦しました。実は材料のフゴ(竹の皮を薄くはいで作ったもの)を作れるようになるには何年もの経験が必要とのことで、全面的に調達をお願いしてしまいました。ナタ一本で作る技術は魔法のように思えました。
きれいな六角形がつながるようにフゴを組んでいきます。今回はテキストより一回り小さいサイズになりました。底の部分が編み上がったところで霧を吹いて柔らかくしてから折り曲げて立ち上げます。
要領をつかんだ子は早くも完成直前。先生役になって友達の面倒を見ています。いやいや、面倒を見られたのは大人たちでした。
第4回「農業体験」
第4回(9/15)は農業体験でした。畑に貼ったビニールシートに道具を使って穴を空けていきます。そこにジャガイモを植え付けました。成長が楽しみです。
第5回(10/20)は農業体験の続きでした。先月植えたジャガイモが順調に育っています。その後サツマイモの収穫を体験しました。次々に大きなイモが土の中から現れてきて大喜びでした。早速焼き芋にして味わいました。
第5回「自然観察会」
第6回は恒例の自然観察会でした。図師坂下日影公園で例年行っているものを、今回は「伝統文化こども教室」に組み込む形で実施しました。
竹馬作りに挑戦。作るのも乗るのも初めて? 練習して上手に乗れるようになりました。別のコーナーでは火をおこしてパン作りの準備。食にかかったら薪集めも必死。火はいつも子どもたちの関心が集まります。行き過ぎないように注意するのが大変です。竹の棒にパン生地を巻き付けて焼きます。焼き加減はお好み次第。これも大好評で、スタッフの分もあっという間に無くなってしまいました。
第7回「餅つき大会」
第7回(12/22)はNPO年末恒例の餅つき大会に子どもたちも参加してもらう形で開催しました。
はじめはつまらなそうにして取り巻いていましたが、次第に表情が和やかになり、笑顔も出るようになりました。なぜか女の子の方が活発で、最初に餅つきに挑戦したのは女の子で、そのうちに男の子も加わってきました。搗き上がった餅を小さくしてきなこやあんこをつけています。
室内では予定外の折り紙教室。特技を持った会員が面倒を見ています。こちらは男の子も女の子も参加して賑わっていました。考えてみると餅つきは、地域の交流、異世代の交流、技術・文化の伝承など、それなりに奥の深い伝統文化であることを感じました。